自らを輝かせるものは他人の中にある

自然は緻密で壮大なクリエイターだ。

 

吐く息も白い寒い朝、

草の先端にダイヤモンドに劣らぬ輝きを放つ氷のしずく。

そのきらびやかなジュエリーを身にまとった草は

朝日を細胞内に取り込んで

氷点下の寒さの中でも青々と若返ったかのようだ。

 

自らを輝かせるもの。

それは自分の内包する能力であることはもちろん、

その能力に外的な作用が生じてこそ初めて輝きを放つ。

 

たとえば・・・

オリンピック選手。

同じ競技で闘う相手がいるからこそ

自らの能力を発揮し、切磋琢磨した結果、人に感動を与え輝くことができる。

医者はどうだ。

病気に苦しむ人がいるからこそ

知識を高め、技術を磨き、尊い命を救うのだ。

そんな特殊な能力がなくったって

環境保護、教育、国際交流、夫婦になること、子どもを産むこと、天寿をまっとうすること・・・

そう考えるとすべての人間の存在がダイヤの原石と考えられる。

 

人生で意味のあることは

社会が「価値のあるもの」と捉えていることに貢献することだ。

その「価値のあるもの」は私達全員が包含しているものであり

お互いが与え、受け取れるものなのである。

 

道端の草に降りたからこそ

凍てつく朝に光り輝けた夜露。

その草もまた、夜露のダイヤを身にまとい

自らを輝かせているように。